2011/12/10

【ディア・ドクター】

ここ数年の、
<ついつい邦画・気が付けば邦画・ふりむけば邦画> には理由がある。

確かに字幕を読まなくていいという、「私の目事情」的なラクさもあるが、
核になっているのは、わかり易さ。

安直なんかも知れんが、背景とか心情とかのわかり易さだ。
映画にもう擬似的広がりを求めてないのかもなあ。


そこには自分が日本人であるということをベースとして、自分の人生がある。

私のそれは、
ハリウッドサイズでも、ヨーロッパサイズでも、中国サイズでも、
インドサイズでもない。

ミニシアター邦画のサイズ。
一番その器サイズが似かよった身近なもんを見て、
具象理解する、振れ幅共感する、国民性感じる、擬似体感する、我流納得する。


そうして、それら珠玉の感触を手のひらにのせ、見入り・感じ・味わうのに、
<生きてきた歳月・経験>は大きな武器だと思う。

イヤイヤ、戦うわけじゃあないから...武器じゃなくて...そう、手持ちの<色見本>
オリジナルな<色見本>、使わないと勿体無い。



■ デイア・ドクター

うん、とても楽しめました。 

西川美和監督の映画は、オダギリさんと香川さんの『ゆれる』が初めてでした。
『ゆれる』、面白かったなあ。
人はずるくて弱くて優しいんよねえ。

西川監督作品を見ると、
是枝監督作品(『誰も知らない』『花よりもなほ』『歩いても 歩いても』...etc.)を
連想。

ん?どっか似てる?いや、違うなあ。いや、似てる?なんだ?あっ、空気かも。
と、思ったら、師だそうで、是枝監督は西川監督の。


2009年6月19日 読売新聞のインタビューでの西川監督の言葉から。
『志を一貫させる人って少ないですよね。
それより、偶然が重なって、思ってもみなかったところに転がっていって、
行き着いた果てが結構面白かったりする』


面白いデキになっているかどうか疑わしいけど、
<偶然>が重なって<転がり>倒して、行き着いて、
私は・今は、『ここ』にいる。


* * * * *


見終わった時、ラストシーンの時、
「ああ、これ、ラブストーリーだ」と、私、思った。

でも、全体をラブストーリーとして展開させている訳じゃあない。
なんだろ…

映画全体を通して充満している、主人公の<“据わり”の悪さ>の中、
ラブストーリーを思わせる一瞬があった。
それがとても自分の中で<据わり>が良かったからかも知れない。


でもパンフの中で、そういう風なコトを書いてるところが無くて...
「ん?」だっだんだけど、八千草薫さんのコメントの中に発見!
そっか、演じているご本人がその<要素>を指摘されていたんですよね。
で、「ほらね!」の気分になった。


<据わり>

なんとも<据わり>の悪い人生を送っている主人公です。
据わっている風に見えて、実に危うい毎日。

彼の危うさは、外から見えない。明るい間は見えない。
けど、暗くなったら・夜になったら見える、そんな感じ。

ニセモノなのに本物してて・本物してるけど実はニセモノで。
ウソなのに現実で、現実がウソで。
でも、ひっくるめて全部現実で真実で...そういう映画です。


スートーリー展開の中に、その前面に、シリアスさは出ていません。
例えば、リアルな僻村での医師不在問題とか。
でも起こっているコトは、実にリアリティがある。

リアリティは何かの中にドンとあるものやのうて、流れが作るかもしれんです。


<照合>

どうなんだろうと、思う。みんなはどうなんだろうと、思う。

ずっと思って、ずっと感じてきた気がする。
今の御自分の人生、居心地、据わりの加減はどうですか?...みたいな。

それぞれ自分の役割がある。
娘だったり、息子だったり、親だったり、妻だったり、夫だったり、隣人だったり、友人だったり、
勤め人だったり、嫁だったり...もっともっと配役はいっぱい。
そこいらへんでの<自分の据わり>加減。 


ん?自分(の据わり)=肝(の据わり)で、その先に「存在」なのかな?


皮肉なのか、必要だったのか、そこいらへんは不明なれど、
私、病気を持って、実は<据わり>が良くなった。
地面との距離が近くなった気がしてならない。
しかし、こういう論理にもってく自分はニセモノ?本物?



ずっと、<据わりの悪さ>感じてて、原因を考えたりもした。

あの出来事から?...いや、その以前から。
あの喪失感から?...いや、その以前から。
とまあ、長年延々、自分が浮遊してた感あったけど、
とまあ、この歳になっても未熟な感、ありありだけど、
不思議なもんで、この決め付け縛りで、着地に向かってる?みたいな。

...あ~あ。ワケわからんようになってきた。 お腹、空き過ぎで。


そうそう、余貴美子さんがいいなあ。いつ見ても彼女はいいなあと思う。
どうして私は余貴美子さんになれんかったんやろ(笑)

そう、それは、
余貴美子さん方向への<偶然>が重ならず、上手く<転がらず>、
思わぬ地点に行き着いてしまい、私は今、『ここ』にいる。



【今日の作品】【ディア・ドクター】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

【雑食よみ】

伊藤まさこさんの「雑食よみ」読了。いわゆるエッセイ的なものだけれど、伊藤さんが勧める様々なジャンルの本の中で、私の興味のアンテナが動いた本をこれから読もうかな。本を紹介する中で、その本との出合いやその時の状況、環境等が興味深かった。#感想部Fri Dec 09 10:38:20 via web

【食堂かたつむり】

食堂かたつむり ” が実際にあれば、絶対予約を入れるんだけど…な。ちょっぴりの切なさと、ホットチョコレートを飲み干した後の甘〜い感覚が、いつまでも心に残る一冊でした。料理で人を幸せにしてしまうって、ステキなことだと思う。(๑˘ᴗ˘๑)*.。#感想部Wed Dec 07 15:20:45 via Osfoora for iPhone

【ピアノの森(21)】

ピアノの森」21巻読了。カイのピアノが大舞台で聴衆を魅了する話も大好きだけど、この巻はもう、たまんないなあ。こういう繋がりが、カイの雨宮のピアノを豊かにするんだなあ。んで、阿字野の魅力、天井知らず。カイも雨宮も、阿字野も、みんないいこ!#感想部Sun Dec 04 01:14:07 via Twitter for iPhone

2011/12/04

【天才探偵sen 公園七不思議】

大崎梢『天才探偵sen 公園七不思議』読了。小学校上級生向きの児童書。しかし、しっかり謎解きがおこなわれている。探検の要素もあるし、子供が夢中になるのが納得できる一冊だった。知り合いのお子さんに勧めてみようと思った。 #感想部Sat Dec 03 01:18:10 via Mobile Web

【三つの名を持つ犬】

近藤史恵『三つの名を持つ犬』読了。さすが愛犬家の著者が描いただけあって、犬の細かい仕草や表情など、イキイキと描写されている。この主人公の都みたいに、うちの犬を大事にできているかなぁ、と思わず我が身を振り返った。面白かった。 #感想部Sat Dec 03 01:00:50 via Mobile Web

【一矢の秋 居眠り磐音江戸双紙37】

佐伯泰英『一矢の秋 居眠り磐音江戸双紙37』読了。我慢の時から、とうとう物語が再度動き始めた。この巻は、佳境に至る序章という感じがした。今後、どのように磐音達一行が江戸に戻るのか、とても楽しみ。 #感想部Sat Dec 03 01:12:12 via Mobile Web

【往復書簡】

湊かなえ『往復書簡』読了。手紙の形式で物語が進んでいくのが面白い。さすがという感じ。毒のあるお話かと思いきや、最後は暖かい気持ちにさせてくれる、短編集だった。 #感想部Sat Dec 03 00:50:05 via Mobile Web

【小銭を数える】

小銭を数える 西村賢太 悲惨な男女の暮らし元凶の男。明らかに常人ではない。しかし悲惨過ぎて笑いがこみ上げる。いい人間がやることではないが垣間に見られる人間の情が笑いを誘うのか。爽快感すら感じてしまった。 #感想部Tue Nov 29 16:08:35 via ついっぷる/twipple