2012/01/31

【トウキョウソナタ】

キョンキョン、だんだん素敵になってくる。
いいな、年を重ねていい雰囲気。


日本・オランダ・香港の合作映画だとは知らなかった。

黒沢清監督、見たことある作品は2本のみ。
役所広司さんと萩原聖人さんの『CURE』(キュア)と
オダギリジョーさんと浅野忠信さんの『アカルイミライ』。

どっちもちょっと怖くて、心病んでて、凶暴で、
殺人とかあって、奇妙さがあって...

だから、そういう作品を撮る監督のイメージだった。
初めてみたいです、家族をストレートに描いた作品。


■『トウキョウソナタ』は、両親と息子二人の家族の話。

・お兄ちゃんの話もボクの話も、全然聞いてくれないお父さんと
・なんだかいつもつまらなそうなお母さんと
・バイトばっかりしてて、家に居なくて、何を考えてるか分からないお兄ちゃんと
・給食費でこっそりピアノ習ってるボク

そうして、お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、そしてボクも、
みんなナイショの秘密がある。

それでも、“普通に普通に”御飯を一緒に食べたりしてた。
でもある日、ボクが家に帰ったら家の中がぐちゃぐちゃになってて、
誰も居なくなってた。


タイトルの『ソナタ』、
なんとなく本編がらみで...
『ソナタは、複数の楽章から構成される』の意として解釈した。


■キャスティングだけみても本編見たくなる。

リストラされても家族に言えない、父親の威厳を死守したい、
プライドにしがみつくから、カクメイから一番遠いところにいる。 

そんな父親役は、当初から、監督、香川照之さんを想定してたそうだ。
つまらん旧式殻付弱虫父さんを名演(笑)


お母さん役の小泉今日子さんもファーストチョイスだったとか。

監督の言葉:
「僕は笑ってないときの小泉さんの、遠くを見通してるような目が大好きなんです」
(う~ん、吐息がもれそう。ちょっと誰かに言って欲しくなるような台詞。)

彼女がいるから家族が成立してる。父に言えないことでも母には言える。
彼女は自分を犠牲にして家族の要になってる…ようにみえて、
実は彼女がいちばんーーー

名台詞を彼女に言わせてる。
『自分は一人しかいません。信じられるのはそれだけじゃないですか』
うーん、いい台詞なあ。ホッとする。


...そう、人はみな自分です・自分は1個の物体です・万人に万個の自分です。
太古の昔から実に公平に、スタート・エンドを繰りかえします。
思えば健気なハナシじゃないですか。 


重力ピエロ』での、弟(春)が言った 

-「どんな時代でも、想像力というものは先人から引き継ぐものじゃなくて、
毎回毎回、芸術家が必死になって搾り出さなくてはいけないってことだよ。
だから、芸術は進化するものではないんだ。」

の台詞、思い出しましたもの。

となると、自分は・人生は、芸術!いいもん創りたくなりません?


反抗的な長男:小柳祐くん('88年生まれ)、オットコ前です。
すっとした・真っ直ぐな反抗...って言うものオカシイけど、そんな感じ。

そうそう、
『彼には華がある。他の映画で目立つ前に使っておこうと思った』って、
監督の言葉がパンフの中にありました。 


最後の見せ場を作る二男:井之脇海くん('95年生まれ)のこと、
監督も、香川さんも、キョンキョンも絶賛してました。


息子らは、父と対極にある。
息子たちはしがみつくプライドを持ちえてないから、
カクメイを夢見ることができる。

母親が昼寝で見る夢、長男が出てくる夢のシーンは胸が締め付けられた。


で、役所広司さんの役どころがとてもオカシイ♪ 情けない・情けない男です(笑)

そうそう、二男の担任役:アンジャッシュの児嶋さん、父親の友人:津田寛治さん、
このお二人が、「うんうん、居る居る、こういう大人」で、とてもいい。


ドビュッシーの、ある曲がフルで聴けます。 
-「あ~、なんとなく映画の流れ、想像できるなあ~」
と、思ったかもしれませんが、
その想像を素晴らしく・はるか高いハードルで越えちゃいます!

なんせ、自分を生きるって芸術ですもの。



私、家族の <括(くく)り> は、そっから一度は抜け出るためにある輪。
<抜け出る・自分を生きる>きっかけになるべく、そこに<標準装備>として、
用意されてるんじゃないかと思いました。


-『リアルだと感じる親子関係は、お互いを気にはしてるが、
本当の自分自身は隠している。家庭という共同体に中で、
なんとなく親子を演じてはいるが、真っ向から向き合っていないというもの。
...でも、向き合うことが絶対にないとは言えないだろう...ということで、
今回衝突させてみたかったんです。
...でも、最後にどうにかしてある種の希望にたどり着きたかった。」
(黒沢清監督:談)



【今日の作品】【トウキョウソナタ】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

2012/01/28

【SPACE BATTLESHIP ヤマト】

―『ええっ!?』
な、ストーリーの展開具合や、
木村くんのちょっと大仰な台詞回しや、人物のセッティングで、
ああ、ああ、こりゃあ、カンペキに娯楽作品狙いだなあと。

それもごく分かりやすい“楽しい”のあたり。
元々が壮大な宇宙相手のフィクションなんやもの。


どこかで同じ感覚になったなあとかも思って...
ならあら、『モスラ』(←大昔過ぎ!)とか、『燃えよドラゴン』とか...


人生を語るとか、人間を見つめるとか、奇をてらうとか、魅せるとか、
哲学的とか、心理学的とか、オカルト的とか、そう、恋愛とか、
壮大とか、優雅とか、複雑とか、比喩とか、抽象とか、
うん、脱力とかとかの 最近風・大勢風じゃあなくて、
単純に楽しむ映画狙いなんだと、見ながら思えて来た。


どっか、70年代の・オリジナルアニメの・ヤマトの、
あの時代感覚の、ちょっとレトロな、“映画は 楽しむもん”のあたり。

さて、その視点でポイントで宣伝してたかなあ。
もし、『大作です!』とか言っていたのだったら、そりゃあ不味かったかもね。


見ながらそう思い始めたら、どっか可笑しくて 楽しくて。
これって あの映画のちょっとパロディ?みたいなトコもあって。


でも一方、思った、確信した。

ああ、きっと 批判あるどー!って。いっぱい あるどー!って。
で、そう思うと、なんかさらに映画が面白くて。


そう、なんたって<評価>より はるかに安易な <批判>ですもん。
ヤマトに関係なく、それは日常的。



この、生活や世間や人間関係の様々なシーンで、
『いいね』と言うより、『優れていると思う』と言うより、
う~ん、ここがね・そこがね、の<あら捜し>の方が、
ふ~む、あれがね・それがね、の<批判>の方が、
うんと遥かに、イスカンダルに行くほど遥か大差のイージーで、
保身で、どっか逃げで、自己弁護だよなあと。



【今日の作品】【SPACE BATTLESHIP ヤマト】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

2012/01/26

【ぼくのボールが君に届けば】

伊集院静さんの「ぼくのボールが君に届けば」を読み終えた。野球は、一つの白球によって見る人もプレイする人も一つになれる…という考え方にハッとさせられたなあ。#感想部Tue Jan 17 05:30:28 via Keitai Web

2012/01/16

【ひな菊の人生】

ひな菊の人生 吉本ばなな を読了。 生と死と色々な匂いが文章からふわりとたちのぼってくるような本。生きているのは当たり前のようで当たり前ではないし、ましてや死ぬことすら珍しくはない。生きている間の何気ない一つ一つの日常の出来事がつみかさなって自分の人生を幸せにする。 #感想部Tue Jan 10 13:04:28 via Twitter for Android

2012/01/10

【虚言少年】

虚言少年」をよんだ。小学生の純粋な有るべき姿を残しつつ、大人になっていっている内面。自分はこんな小学生時代を送っていただろうかと、少しだけ登場人物がうらやましくなった。普通に笑って普通に過ごしていくことの大切さを実感できたと思う。 #感想部Sat Jan 07 18:25:51 via web

【夏目友人帳】

夏目友人帳 三巻で挫折。何巻くらいからおもすろくなりますか? もし夏目…が好きな若人は今市子の百鬼夜行抄を是非読んで見て下さい。 #感想部Sat Jan 07 07:45:28 via ついっぷる/twipple

2012/01/09

【夏の名残の薔薇】

恩田陸の夏の名残の薔薇を読了。あいだにはいる引用の文が少し読みにくい。自分のことって自分が一番わからないのかも。人の目から見た自分をみることによって、これが自分自身だと思い込むことはありそう。様々な人の視点に立って話が進むため、違う目線で物語を楽しめました。 #感想部Fri Jan 06 16:02:30 via Twitter for Android

2012/01/07

【探偵はバーにいる】

な~かなか お得な気分になれました。

動機は 松田龍平さんを見に行こう!...だったけど、
大泉洋さん、いやあ、なかなか素敵でした。 
そ、二枚目!魅力ある二枚目!


二枚目(ここではイケメンとは言いたくなくて、二枚目)の若者が二人。

二人とも長身だし、スタイルもいいし、
でもって、腕っぷしが惚れ惚れするほど強い二人!
そ、主人公で・二枚目は・常に強いのです!


ケンカ、殴り合い、流血、発砲...あらゆるアクション満載。
けどね、見てて面白いアクションシーン。
湿度ある残虐さ...う~ん、無かったと思う。

やってるアクションは、んま、“かなりなもん”なんだけど。
そりゃあなんたって、二人とも強いから大丈夫!


で、そっか東映かあとか、そっか御本家かあとか。
さらに、うんうん、映画は<娯楽>なんだとあらためて思った。


いいんじゃあないかなあ、こんな映画。
見終わって劇場から出てくるとき、爽快感。
なかなか味わえそうで味わえんもんだと思うけど。

小雪さん、緋牡丹博徒のお竜さん並みのカッコ良さ!


でもね、強いってだけじゃあないです、この探偵<俺>は。
その心情にも魅力大アリ。


脇のキャスティングの中でピカイチは高嶋政伸さんだった。
恐るべき・ちょっと笑える?猟奇的表情。
なんというか、話題になってるから、今。
申し訳ないがどうしても、その話題がちょっとリンクで、+αで、
悪役が“お見事!”に映った。


それと、なんたって『♪時計をとめて

カルメン・マキさん出るなんぞ知らんかったから、
初っ端でスットーンと降参してしまった。



ちょっと思ったの。こういう<THE 東映映画>が 今、渇望されてるんかも。

強いもんは強い。悪者はしっかり悪い。良い人は善人(当たり前か)。
そうして、映画は<娯楽>って立ち位置。



【今日の作品】【探偵はバーにいる】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

2012/01/06

【けいおん!】

映画けいおん観了。普通にクオリティ高くて、最近見たアニメ映画の中じゃ一番面白かった。けいおん熱再燃しそう! #感想部Wed Jan 04 13:26:03 via TweetList!

【旅ボン 沖縄編】

ボンボヤージュ著「旅ボン 沖縄編」読了。八重山諸島をひきこもりの漫画家が旅して(音信不通の末)4年後に書き上げ、やっと出版された作品。沖縄といえば青い海と輝く太陽!だが、大部分を台風の中で過ごした旅行記として貴重。作者の無気力さとシュールな画風で旅の情景が目に浮かぶ。 #感想部Tue Jan 03 16:21:05 via web

【富士山大噴火!不気味な5つの兆候】

父の蔵書。海洋地震学者・木村政昭著「富士山大噴火!不気味な5つの兆候」読了。とにかくタイトルが怖い。東日本大震災を予知したと自負する著者の研究の結果、富士山噴火のXイヤーを2015年と想定。あら、噴火したら「1日くらいで溶岩が到達する地域」に含まれてるけど。。 #感想部Tue Jan 03 16:06:22 via web

【クライマーズ・ハイ】

横山秀夫 クライマーズ・ハイ 読了。ちょっと過剰な期待をしてしまった。先入観なく読んだら、素直に面白かったのだけど。骨太な物語にプラスαのおまけを期待してしまい、あれれ?という感じ。ローザンヌの昴ちゃんが踊った後みたいな。 #感想部Sun Jan 01 16:20:30 via SOICHA

【M:I-4 ゴースト・プロトコル】

M:I4/ゴーストプロトコル観了。ベンジーがおもろい!ドバイでのイーサンとの掛け合いは思わず声出た。ストーリー自体はシンプルだから、シリーズ初見でも楽しめると思います! #感想部Thu Dec 29 08:59:51 via Keitai Web

【ホムンクルス(15)】

ホムンクルス15巻 完結 ラストに別に異論は無いが結局キチガイで逮捕とか最初の謎のハイパー能力☆からしたらしょっぱいです。 #感想部Mon Dec 26 10:28:05 via ついっぷる/twipple

【轟けっ!鉄骨くん】

轟けっ!鉄骨くん 佐藤マコト 久しぶりにこの人の読んだら絵が残念になっていたが2巻でリカバリーしていた。ロボットコメディーはいいやね。最後はSF混じりで(^O^)等身大の非日常感がいいやね。まだ高橋由美子にこき使われたりしているんだろうか #感想部Sun Dec 25 12:36:37 via ついっぷる/twipple

【妖精作戦】

創元版妖精作戦読了。一気に20ウン年前の記憶が蘇る感覚。あの頃あの高校にも確かに若きSF者がいて、これを読んでた。 #感想部Thu Dec 22 14:33:32 via Twitter for iPhone

【作家の犬】

作家の犬 コロナブックス 志賀直哉坂口安吾菊池寛らの飼い犬写真や肉親による作家と犬の思い出。目当ては園山俊二!ガタピシのモデルのガチャコがかわええ…。シリーズに作家の猫もあり。また探して猫も見よう。猫には夏目漱石内田百けん池波正太郎など #感想部Thu Dec 22 02:53:02 via ついっぷる/twipple

【漱石先生お久しぶりです】

漱石先生お久しぶりです 半藤一利 ぞな、もしの続々篇。年に何回かは先生に思いを馳せて心静かになりたい。とはいえ初耳な話も沢山あり1人の人間を知るのは世界旅行よりもワクワクがありますよね #感想部Thu Dec 22 02:47:40 via ついっぷる/twipple

【寒灯】

寒灯 西村賢太 秋恵シリーズ最新?著者曰わく、秋恵ものをあと十年くらい書くそうだが腐泥の果実は彼女との終焉のことをぼんやり書いてある。早く別れた時のが読みたい。いつになるんでしょうか?その前に野垂れ死にそう。というのはあながち冗談ではすまないかもしれない。 #感想部Thu Dec 22 02:40:53 via ついっぷる/twipple

【瘡瘢旅行】

そうはん旅行(携帯で変換できず)西村賢太 秋恵シリーズ廃疾かかえて等は最早終盤のキレ待ちしている自分に笑える。難読漢字が多いのが意地悪さが滲み出ている。 #感想部Thu Dec 22 02:35:15 via ついっぷる/twipple