2012/03/23

【日曜日たち】

気持ちの底に染み入ってくストーリーの展開。
3回は読み返した。

連作の短編集なんですが、それぞれの話に1本の<糸>が通っている。
あっ、繋がっている、か。
いや、すっと真っ直ぐ通っている、やっぱり。

その<糸>は、母を捜す幼い兄弟。

兄弟は都会で暮らす5人の若者たちの、
いずれも閉塞感ある日曜日の中を縫っていく。


私は途中で、幼い兄弟が神様じゃあないかと思えたりした。
若者たちは何らかの形でこの兄弟にかかわる。
そのかかわり、気づけば何かを生んでる。  


いいですよ、話の流れが。 
展開がどんどん・何処かがどんどん。
で、暖かくなる。


好きな文章が・表現が・描写が多々あって、ドッグイヤーがいっぱい。
三角に折られたそのページを開き、自分が好きだなと想った個所を探す。
気づけば そこからまた読み始めている。



吉田修一氏、『悪人』も、このたびの『日曜日たち』も、とても良かった。
小説家って本当に凄い。



【今日の作品】【日曜日たち】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

0 件のコメント:

コメントを投稿