2011/10/07

【毎日かあさん】

「西原」理恵子さん、
「西原」を、『にしはら』じゃあなくて『さいばら』って読むの、
珍しい...と、思うけど。


西原恵理子さんの作品からの映画化は、
女の子ものがたり」も観た。

「女の子ものがたり」、その可愛らしいタイトル、
そのままの映画じゃあなかったなあ。

主演は深津絵里さんでした。
それは、「毎日かあさん」が「かあさん」になる前のお話。


まだ「女の子ものがたり」だった、
家を出る19才までの西原さんの経歴読んだだけで、
う~んと 唸ってしまう。
    
・アルコール依存症の実父、その実父との死別
・ギャンブル好きの義父
・家庭内暴力の義父
・首吊り自殺した義父

どの1つをとってもそう、
子供にはかなり堪える<案件>ばっかりだ。

で、思ったの。 

西原さん、きっと<何かのスィッチ>、
何度も切りながら大きくなったんじゃあないかと。

   
でもって、「女の子」は「かあさん」になったのに、
何の因果か、イヤ、たぶん、無意識の選択で、また繰り返す。
 
世間で言う、母親と似た人生や父親と似た価値観。 
生育環境という日々。

そう、日々だからねー毎日毎日だからねー
もう、撤去してもしてもの山盛りだ!


映画の夫婦役が良かったです。

サイバラの小泉今日子さんも良かったけど、
夫役の永瀬さんがとっても良かった。

元連れ合い、元ご夫婦っていうのが、
観る方に何とも<味な>先入観。

それと、サイバラの兄役の光石研さん、
ちょこっとしか出ないけど、こういう役、
ピッタリだと思った。


『何があっても 生きていく』って大前提が、
とてもいいなあと。

それが“かあさん”だからできるのか、“人”だからできるのか、
唯一無二の人生やってきたその“当人”だからできるのか。


統合失調症、ちょっと前は精神分裂症。 
アルコール依存症、ちょっと前はアル中、アルコール中毒。
...並べるのは オカシイかもしれんけど。

ほら、名称って大きいから。
ちょっと薄めると、ちょっと飲みやすくなる。
原液成分に違いはないけど。

そ、アルコール依存症は疾患、そ、病気なんですよね。
薬物依存症で、精神疾患。


パンフの中に、原作者の西原さんから小林監督へ、
『アルコール依存症をおざなりには描かないでほしい』 
という話があったという記述がある。


アルコール依存症、
いろんな疾患の中で一番かどうか分からないけど、
一番近い人たちの人生に、そう、
家族の<人生>に影響を与える疾患の中で、
上位ランクじゃあないかと思う。

飲んでない時はとってもいい人で、
根は優しい人で、
ちょっと意思が弱いだけで、
精神がか細いだけで、
少々他力本願なだけで、

でもほら、疾患だから、病気だから...じゃあ、済まんでしょ!
周りの人間は、一緒の空間で人生やってる家族は。


家族の気持ちのど真ん中にあるもんは、
そりゃあ、悲しみだったり・怒りだったり・憎しみだったり・
恥ずかしさだったり、情けなさだったりで、なんにしても、
自分が背負わんといけん道理が見えぬ重たい荷物。

みんな願うと思うなあ、当人の近くにいるもんは。
...『酒屋が、いや酒が世の中から無くなればいいのに』と。


私が西原さんならどうするかなあと
思った、考えた、思った、考えた。 

元夫がトイメンのオットではなく永瀬さんなら...最期まで看取る!?(笑)

でもね、なんにしても、
そうそう簡単に<弱さ>を前面に出してる相手を放るのは、
うん、難しいだろうは分かる。 

ブンジくんと フミちゃん、
二人の子供はおとしゃんを嫌ってなかったもんね、映画の中では。

往々にしてそうかも知れんです。 
子供が、親の弱さにまんま接してしまうと、ね。

たまたまうんと歳が多いだけの、
柄が大きいだけの弱っちィ身内だから。


映画の中、家族の揺れ幅が、潮位が、
だんだん大きく高くなっていきます。 
時は前へ前へ。キケンです。

でも観客として、その繰り返しを観ながらの<間(ま)>が、
私にはいい時間でした。



心のどこかに<間(ま)>を感じたいのか、そういう人生年齢なのか。
<間(ま)>は 感性にとっての御馳走のようで。



【今日の作品】【毎日かあさん】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

0 件のコメント:

コメントを投稿